ユーザーの多様な経営課題に寄り添い、企業の意思決定を支える存在に

ユーザベースグループの成長エンジンである「SPEEDA」。サービス開始から10年を経て、現在はグローバル展開に向けて力強く成長を続けています。そんなSPEEDA事業における課題は何か。SPEEDA事業CEOの稲垣と、アドビの専務執行役員 マルケト事業統括で、SPEEDAのマネジメント・アドバイザーも務める福田さまへのインタビューをお届けします。

稲垣裕介

YUSUKE INAGAKI

SPEEDA CEO / Uzabase Co-CEO

アビームコンサルティングを経て、2008年にユーザベースを共同創業。2017年に代表取締役に就任し、SPEEDA事業におけるCEOも兼務。

福田康隆

YASUTAKA FUKUDA

アドビ 専務執行役員 マルケト事業統括

オラクル、セールスフォース・ドットコムを経て、2014年6月マルケト入社と同時に代表取締役社長に着任。2019年3月1日より、アドビ システムズ 株式会社との統合完了によりアドビの専務執行役員 マルケト事業統括に就任。

福田さんがSPEEDAアドバイザー就任を決めた理由

――今日はよろしくお願いいたします。福田さまは2018年に、マネジメント・アドバイザーとしてSPEEDAに関わっていただくことになりました。どういった経緯で参画されることが決まったのでしょうか?

福田:

これまでは私自身、まず自分の事業に集中しないと成果は出せないだろうということで、こういうかたちで外部から関わるアドバイザーのご依頼はお受けしてきませんでした。ただ、稲垣さんや(FORCAS/ジャパンベンチャーリサーチCEOの)佐久間さんとお話させていただくなかで、1つ、逆に自分が学べるかなと思った点があったことが大きいです。それが、ユーザベースの「カルチャー」です。

情報交換させていただくなかで、稲垣さん自身がすごく人やカルチャーに意識を置いて経営されているなと。その後グループのさまざまな方とお会いさせていただいても、皆さん同じようなバリューを共有されているなと感じました。

――稲垣さんからはいかがでしょう?

稲垣:

今、SPEEDA全体として課題に感じているのが、カスタマーサクセスやセールスも含めたお客さまとのフロントの部分です。ここを強化していくうえで、そしてB2B SaaSの領域で、福田さん以上の方はおられないと思っていました。

ただ、私たちとチーム経営をしていただくにあたって、バリューや考え方が合っているかというのは非常に重要です。そこで佐久間経由で福田さんと会食をセットさせていただいて、数時間お話ししたうえで、間違いないなと思って正式にご相談させていただきました。

よく考えるとだまし討ちみたいなかたちになってしまいましたね(笑)。

福田:

そうですね、最初はそのようなお話だとはぜんぜん思っていませんでした(笑)。

稲垣:

福田さんとお話させていただいてすごく良いなと思ったのは、本質に向き合われている点です。たとえば何か「コト」に向かうときに、小さな自尊心みたいなものが邪魔することがあります。でも福田さんは本質に対してフラットに向き合われているなと、一つひとつの言葉選びや価値観から感じました。これは僕たちが大事にしているバリューである、「7つのルール」にも通じるところがあります。

 

SPEEDAは、「難しいけどおもしろい」

――事業として見た場合のSPEEDAの現状の課題や、福田さまが果たされる役割というのは何なのでしょうか?

稲垣:

まず現状は、お客さまの幅がどんどん広がっている段階です。10年前に創業したときは、創業メンバーの梅田(Co-CEO)や新野(経営顧問)の原体験をもとに、社内では「プロフェッショナルファーム」と呼んでいるコンサルティングファームや金融機関の方々をターゲットにプロダクトを開発してきました。

実際にプロフェッショナルファームの方々には必須のプロダクトとして浸透してきて、現在は事業会社の経営企画の方々の利用が増えてきています。これは創業時から想定していましたが、思った以上のスピードで広がってきています。お客さまの利用シーンが多種多様になっているので、プロダクトとニーズをしっかりとフィットさせていく必要があります。

福田:

マーケティングメッセージも、受け取る方がたくさんいるのですごく難しいですよね。また経営企画の方がお客さまになるので、お客さまに寄り添うサクセスチームにも、スキルや経験が豊富な方を採用しなければなりません。

今回、マネジメント・アドバイザーとして関わらせていただいて、SPEEDAはやはりすごく可能性が大きいと感じています。一つは、「日本発グローバル」を狙えるということ。今はアジアを中心に展開していますが、アメリカでもヨーロッパでも必要とされるサービスになり得ると思います。

もう一つは、「顔がどんどん変わっていく」ということです。たとえば会計のサービスだと決められたことをどれだけ効率化させるかが重要ですが、SPEEDAのユーザーは多様なので、常に進化し続けていかなければなりません。この2つが、今のSPEEDAの魅力だと思います。

 

SPEEDAの「カスタマーサクセス」は、「お客さまのビジネス成果を最大化できるもの」

――福田さんは1月に、営業やマーケティングのプロセスを科学的なアプローチで解説した書籍「THE MODEL」を刊行されました。同書では「カスタマーサクセスは会社の文化」と書かれていましたが、SPEEDAにおけるカスタマーサクセスは、どうあるべきだとお考えでしょうか。

福田:

私自身もSPEEDAについて十分に理解しているわけではないので、「SPEEDAだったらこう」と言える段階ではないのですが、やはりカスタマーサクセスの難しさは一定あると思います。

使い方がシンプルでわかりやすいサービスだと「ユーザー会」をつくって、みんなでわいわい情報共有するとコミュニティが醸成されてきて、というのが起きやすいですが、SPEEDAの場合は経営視点のユーザーが多いですし、営業したときと契約開始したとき、そしてその後のフェーズによって、利用シーンが変わる可能性があるので非常に難しい。

稲垣:

そうですね。ユーザベースは2017年に、国内最大級のスタートアップ情報データベース「entrepdia」を運営しているジャパンベンチャーリサーチ社をM&Aしました。これはSPEEDAユーザーさまからのご要望がきっかけでした。

近年CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)を立ち上げる企業が増えてきていますが、スタートアップ情報を調べられる手段って日本にはあまりないんですね。「SPEEDAでスタートアップの情報を調べたい」というご要望をいただくことが増えてきて、私たちとしても、まさに自分たちが取り組むべき課題だと考えた結果、「entrepedia」でその価値を提供していこうという結論になったんです。

こういう、「以前はなかったユーザーの新しい課題」が毎日山のように出てくるのがSPEEDAのおもしろいところです。

最近では、知財戦略を経営方針の柱として組み込む企業が増えるなかで技術や特許情報をSPEEDA内で見たいというニーズも生まれてきたり、「既存産業のカテゴリーに当てはまらない新しいビジネストレンドを知りたい」とか「中国や東南アジアだけでなく、ミャンマーについて知りたい」など、ユーザーの皆さまの経営課題・事業課題は本当に多岐にわたります。

日本中の企業の皆さまが何を課題とされているのかをいち早く知り、その課題解決に寄り添いながら、プロダクトを進化させて価値として届けるまで一気通貫でできることが、SPEEDAの醍醐味だと思ってます。

福田:

そのとおりです。非常に難しいけれど、だからこそおもしろい。経営者と同じ目線で、ビジネス上の課題が何で、何が意思決定に必要な情報なのかということを本質的に突き詰める必要があるので、一気にビジネス力が鍛えられる環境だと思います。

「カスタマーサクセス」というと、皆さんいろんなものをイメージされると思います。ですが、私自身の定義では、「自社のサービスを使って、お客さまがビジネス上の成果を上げてくれる」というシンプルなものです。売上なのか利益なのか、計測可能なもので、成果を上げられるものにこだわることが重要だと考えています。

稲垣:

カスタマーサクセスの定義はとても興味深いです。ちょうど昨日、セールスやカスタマーサクセスのリーダーたちとオフサイトミーティングをしていて、カスタマーサクセスの定義をどう考えるべきかという議論をしていました。

僕個人の実感としては、「きちんとお客さまの役に立つ」ということが本質だと思っているんです。サクセスの定義を「売上貢献」か「利益貢献」にするという福田さんの定義は、強い言葉ですがシンプルで良いなと思いました。

 

プロダクト開発を内製している強み

――SPEEDAには、プロダクト開発チームが社内にいるという強みもあります。SPEEDAならではのカスタマーサクセスとして、プロダクトまで落とし込めるようになる構想はあるのでしょうか。

稲垣:

やはりSPEEDAが今後、事業会社のお客さまの経営課題に応えていくうえで、セールスやカスタマーサクセスなどのフロントと開発が一体になって価値を生み出すスピードが重要だと考えています。お客さまと一番接するフロントが、お客さまの課題に気づいてどんなに良い提案をつくっても、プロダクトに落とし込まないと世界は変わりません。

ただ、開発チームにも自分たちが開発したいタスクリストが膨大にあります。フロントからすると「自分たちが挙げたタスクがいつまで経っても開発されない」ということになってその声自体が挙がらなくなってくるので、そういう小さい体験は改善していきたいなと思っています。

自分が強度を持って言えば開発に反映されて、お客さまの困っていることが改善される。このサイクルが生まれている実感値をどれだけつくれるかだと思っていて、最近ではカスタマーサクセスチームの採用枠を、エンジニア採用に振ったりもしています。

――福田さまはSalesforceやマルケトなどの外資系企業で活躍されてきました。福田さまから見られた、SPEEDAが開発チームを持っている強みはありますでしょうか?

福田:

強みは圧倒的にありますよね。私自身は外資系企業でずっと働いてきて、やはり物理的な距離感の壁は感じていました。

――体制ではなくて、物理的な距離、なんですね。

福田:

そうですね。そこから考えると、SPEEDAはCTOもそばにいて何かあればすぐ相談できる気軽さがあります。個人的には新鮮で羨ましい環境ですね。

リモートワークが普及していますが、私自身、手触りがないとダメなタイプなんです。会話してはじめて見えてくることがたくさんあるので、時間がかかっても全員との1on1をするというのは一貫してやってきています。単純に「この人は疲れているんだな」とか「今すごく充実してるんだな」とか、そういうのは会って話してみないとわからなくて。例えばこのあいだは、「福田さんは今までに『俺はもうダメだ』と思ったことあるんですか?」と聞かれました(笑)。

そのときは「もちろんあるけど、ちなみに○○さんはそういうことあるの?」と聞き返すと、その人がプレッシャーを感じる瞬間だったり、逆にハッピーを感じる瞬間だったりがわかりますよね。数字も大事なんですが、究極は人なので、時間がかかってもすごく大事にしています。

――稲垣さんも、NewsPicksのCEOになったときに当時の全メンバーと1on1をされていましたね。お二人のスタイルは似ているのかもしれません。

稲垣:

当時、NewsPicksは50人ぐらいで、SPEEDAはもう100人を超えてしまっているのでさすがに全員1on1はできていないですが(苦笑)。

でもできる限り飲み会には顔を出すようにして、これからもメンバーの手触りはなくさないようにしていきたいと思います。福田さん、今日はお時間いただきありがとうございました!

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