“ぶつかることは、健全なコンフリクト”――FORCASが考える「オープンコミュニケーション」

ユーザベースグループのFORCASでは、立ち上げ当初から一貫して「オープンコミュニケーション」を重視しています。2019年第1四半期では「最高の仲間を集める」をOKRに掲げ、採用活動を強化しています。FORCASが考えるオープンコミュニケーションとは何か、どんなメリットがあるのかなど、CEOの佐久間と、採用担当の小田切に話を聞きました。

佐久間 衡

TAIRA SAKUMA

FORCAS CEO

UBS証券投資銀行本部にて、テクノロジーセクター及び金融法人セクターを担当し、企業の財務戦略アドバイザリー業務に6年間従事。2011年3 月から 2012年4月にかけては、ロンドン本社にて日本企業の欧州企業買収案件を担当。国内の大型統合案件、海外企業買収案件、エクイティ・ファイナンス、デット・ファイナンス等、幅広い案件執行実績を有する。2013年、株式会社ユーザベースに参画。2017年より株式会社ジャパンベンチャーリサーチ、株式会社FORCASの代表取締役に就任。

小田切 香澄

KASUMI ODAGIRI

FORCAS 採用マネージャー

インテリジェンス(現:パーソルキャリア)にて、リクルーティングアドバイザーとして人材・採用全般へのコンサルティングを経験。2017年ユーザベースに参画。SPEEDA Salesを経て、2017年10月FORCAS分社化に伴い転籍し、Sales Managerを経験。2019年1月から採用マネージャーとして最高の仲間集めにチャレンジ。

オープンコミュニケーションの2つの定義

――今日はよろしくお願いします。まずFORCASの考える「オープンコミュニケーション」の定義から教えてください。

佐久間:
定義は「コトに向かってストレートに伝え合う」「自分の本質的な弱みを開示し合う」の2つです。2つ目は、オープンコミュニケーションという言葉から想像しづらいかもしれません。しかし私たちは、弱みを開示することで心理的安全を保つことができると考えているんです。

――弱みを開示するのは勇気がいりそうです。

佐久間:
ポイントは、弱みを開示してもその克服を強いられないこと。私も弱みや苦手なことはありますが、それを直せと言われてしまうと心理的安全は保てません。弱みを開示した上で、それをチームや会社で補い合い、個人は強みにフォーカスする状態を作ることがベースにあるんです。

――具体的にどうやっているんですか?

小田切:
週次の定例ミーティングで、ランダムに人を選んで15分間の自己紹介をしてもらっています。これは新しく加わったメンバーだけでなく、既存のメンバーもやります。さらに四半期ごとに合宿のようなオフサイトの場を設け、4人チームで半日以上自己紹介し合うこともあります。最近はどんどん人が増え、チームメンバーが変わったり増えたりすることも多いので、自己紹介は本当に何度もやっています。

佐久間:
私の自己開示度を10だとすると、FORCASにジョインする時点では3~5くらいのメンバーが多いと思います。みんなが楽しく仕事をしていくために、そこから日々のコミュニケーションを通じて自己開示度を引き上げていくイメージです。

FORCAS佐久間

 

コトに向かうタイプとヒトに向かうタイプ、お互いの良さをリスペクトする

――なぜそんなにオープンコミュニケーションを重視しているんですか?

佐久間:
私の弱みは「コトに向かう特性が強く、ヒトに向かって話せない」なんですが、以前、この「弱みを直す」ことにチャレンジしたことがあったんです。結局、全然うまくいかなかったんですよ。

最近でも、私のコミュニケーションがストレートすぎてメンバーを傷つけたこともありました。ユーザー会を開催してメンバー全員が準備してくれたんですが、私から見ると大失敗だと思ったので、それをストレートにSlackで伝えたんです。私としては、ダメだった部分をしっかり振り返って、次に良いものを作っていこうぜ!というつもりだったんですが、それで傷ついた人が多数いて(笑)。

小田切:
本当にストレートな言葉が使われていたのと、全員が最高のユーザー会にしたいという思いは同じだったので、「せっかくやったのに……」と傷つくメンバーがたくさんいましたよね。

佐久間:
それがキッカケで、改めて「オープンコミュニケーションは何なのか?」を考えることになったんです。オープンコミュニケーションの「コトに向かってストレートに伝え合う」ことは大事だけど、それで人を傷つけていいわけではないよね、と。でも、それで「お互いに慮りましょう」となってしまうのはすごく嫌でした。

人には「コトに向かう」タイプと「ヒトに向かう」タイプがいると考えていて、僕は「コトに向かう」タイプ。だから「いや、もっとコトに向かってスピードを持って進めていこう」と思う。でも「ヒトに向かう」タイプの人からすると「何でそんなにストレートに傷つくことを言うの? もっとお互いに理解し合いながら進めようよ」と思う。

この構図は必ず起きます。重要なのは構図を理解した上で、それでもぶつかることなんです。「みんな歩み寄ろうぜ」と安易に終わらせるのではなく、その一段上に立って構図を理解した上で「あるべき姿に向かってストレートに」主張していけるのがオープンコミュニケーションだと考えます。

――FORCASのメンバーは、コトに向かうタイプなのかヒトに向かうタイプなのか、自分を含め互いに理解しているんですか?

小田切:
かなり理解していると思います。その上で、お互いの個性を認めてちゃんとリスペクトすることが大切なんじゃないかなと。

佐久間:
私が何か言うことで傷つく人は今もいると思うんですよ。ただ、甘えかもしれないけど「佐久間さんがストレートに意思表現をしなくなったら、佐久間さんじゃないよね」とみんなに思ってほしくて。「みんな違って、みんな良い」で終わっちゃうと方針も何もないので。

例えば私がコトに向かうタイプなのに対し、(ユーザベース共同代表の)稲垣さんはヒトに向かうタイプ。めちゃくちゃいろんなメンバーと飲みに行ってる。

私からすると「クリアなビジョンを描いて、わくわくする未来を伝えようぜ」となる。稲垣さんからすると「もっとみんなの意見をちゃんと聞いて、自律的な組織をボトムアップで作ろうぜ」となる。それでお互いぶつかると最悪じゃないですか。

でも私は稲垣さんの強みは「ヒトに向かう」ことだと分かっているし、稲垣さんも、私の強みは「コトに向かう」ことだと分かっているので、そんなことは言いません。弱みを指摘し合っても仕方ない、直らないですから。

FORCAS小田切

 

「健全なコンフリクト」を起こしにいく

――佐久間さんの考える「最高のチーム」はどんなチームですか?

佐久間:
オープンコミュニケーションによって、自分の強みや弱みをオープンにすることで、自己認識と他者の自分に対する認識を揃えていく。これが最高の心理的安全だと考えています。その状態ができれば、目指すべきビジョンという「コト」に対して、みんな一丸となって向かえます。それって最高ですよね。

さらに自己認識と他己認識を揃えることができる人は、他者からたくさんフィードバックをもらえるのでガンガン成長できます。自己認識が高い人でパフォーマンスを出せない人はいないと思っているので、採用面接ではそこしか見ていません。

――その状態が作れても、コミュニケーションのコンフリクトは起きますよね?

佐久間:
起きていいんですよ。むしろ構図を理解した上で、コンフリクトを「起こしにいく」のが重要だと思います。

例えばインサイドセールスとフィールドセールスの場合、インサイドセールス側は「すごく良いアポなんだから、ちゃんと決めてよ」と思う。一方でフィールドセールスは「こんなイマイチなアポを設定しないでよ」と思うかもしれない。そもそも分業しているんだから、そういうことが発生しうることをメタ的に理解して、プロとしてコンフリクトを起こしにいかなければならないと思います。

小田切:
それを社内では、「健全なコンフリクト」と呼んでいます。構図を理解していれば、コンフリクトが嫌だとは思わないはずです。むしろコンフリクトが起こることによって、「もっとこうしておけば良かった」と自分の足りなかった部分に気づくこともできます。良い意味での気づきもたくさん得られるし、相手にも自分の考えをちゃんと伝えられるので、ヒトではなくコトに向いて、目指す景色を揃えた上で進められます。

FORCASオープンコミュニケーション

 

オープンコミュニケーションで「最高の居場所」をつくる

――小田切さんは最初から自己開示できていたんですか?

小田切:
いえ、入社した頃はどちらかというとオープンではなかったほうだと思います。私はSPEEDA事業で採用されたのですが、変わったのはFORCASへの異動が決まったタイミングです。

佐久間さん、(執行役員の)田口さん、土屋さんとミーティングしたときに、私がどういう人なのか30分くらい説明する機会を作ってもらったんです。佐久間さんは覚えていないかもしれないですが。

でも佐久間さんから「いや、自己認識が何か違うんじゃない?」と指摘・質問されまくって終わるっていう(笑)。でも、そのミーティング以降、変な気遣いや「こうあるべき」みたいな考えは本当になくなりました。

佐久間:
そのミーティングのとき、ギリちゃん(小田切)、すごく普通のことしか言わなくて。日頃のコミュニケーションを取る中で「ギリちゃんはこういう人だ」という像があるんですが、それとは全く違ったので「こうじゃないの?」って伝えたんです。

FORCASにジョインした後は、どんどんオープンになりましたね。特に変わったなと思ったのが、定例ミーティングで15分の自己紹介をしたときです。これが過去のトラウマの話とか壮絶な自己紹介で。

――トラウマの話などは、さっきのミーティングでは出てこなかったんですか?

佐久間:
欠片も出てきませんでした。

小田切:
え、話したつもりだったんですけど、全然伝わっていなかったんですね(笑)。

佐久間:
今や「FORCASのカルチャーを最も体現している人は?」と言われて名前が挙がるのは、私より小田切のほうが多いくらいです。だからこそ、会社のカルチャーを作る上で最も大切な「採用」を小田切にやってほしいと思ったんです。彼女もチャレンジしたいと言ってくれたので、セールスから人事に異動してもらいました。

――オープンコミュニケーションが取れたことで、良かったと思うことがあれば教えてください。

小田切:
日々思っていますね。セールス担当だった頃、マーケティング、インサイドセールスやTechチームなど、他のチームとコミュニケーションを取ることは日常的にありました。ときにはぶつかることもありましたが、オープンコミュニケーションという前提があるから、嫌だと思ったことは本当に1度もありません。むしろ、ぶつかることでたくさん話せるし、よりお互いを理解するきっかけになるので、良いなって思うんです。

佐久間:
今後FORCASが大きくなっても、定例ミーティングでの15分の自己紹介と、オフサイトの場での相互理解はずっと続けていきたいですね。仕事は人生の中で大きな割合を占めます。だからこそ、自己認識と他者の自分に対する認識の揃った「最高の居場所」を作りたい。そのためにも、オープンコミュニケーションの大切さは、これからもずっと伝え続けていきます。

FORCAS佐久間

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