「イベント屋」が動画メディアをはじめたきっかけ
――今日はよろしくお願いします。マーケミニッツ!、昨年スタートして現在12本公開していて、再生数も順調に伸びていると聞いています。そもそも二人はセミナーなどのオフラインマーケティングがメインのチームだと思いますが、なぜ動画メディアを始めたのでしょうか?
LINE株式会社 執行役員 葉村真樹さん vol.3 『マーケティング × ABM』
◇◆ LINE 葉村さん編 vol.3【マーケティング × ABM】 ◆◇
〜LINE株式会社 執行役員 葉村真樹さん〜
【今回のテーマ】
・ターゲティングを明確に特定することについて
・顧客をアカウントレベルで理解していく必要性
・ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)
今回は、マーケティング戦略において最も重要となる「ターゲティング」について、御二方に熱く語っていただきました。
アカウントレベル(企業単位)でターゲティングをしていくことは、最新のマーケティング『ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)』を実践していく上で、非常に重要なポイントとなります。
ターゲティングの重要性は以前から多く語られていますが、いかにセグメントを切るかという点で曖昧なことが多く、業界単位やざっくりとした切り口でしかターゲティングができていないというケースも多いと思います。
しかし、戦略を決める最初のフェーズであり、かつ最も重要な段階であるターゲティングを効果的なものにすれば、その効果は絶大です。
御二方がターゲティングをいかに考えているのか、ぜひご覧ください!
【マーケミニッツ!&今回のゲスト紹介】
B2Bマーケティングについて、居酒屋での語り合いのように、弊社FORCAS代表の 佐久間 衡 (Taira Sakuma)と熱くざっくばらんに語っていただく番組、『マーケミニッツ!』。
2019年最初のゲストであり、マーケミニッツ!3人目となる今回のゲストは、LINE株式会社 執行役員の葉村真樹( Masaki Hamura)さんにご登場いただいています。
*******ゲストプロフィール*******
葉村真樹 (はむら・まさき)氏
LINE株式会社執行役員
明治大学公共政策大学院兼任講師
Google日本法人にて経営企画室兼営業戦略企画部統括部長、ソフトバンクにてiPhone事業推進室長、Twitter日本法人にて広告事業統括及びブランド戦略部門東アジア統括を歴任。
東京大学大学院工学系研究科博士課程修了、博士(学術)
著書『破壊–新旧激突時代を生き抜く生存戦略』
***********************マーケミニッツ!さんの投稿 2019年1月24日木曜日
酒居:
僕たちは、FORCASの見込み顧客を集客することがミッションで、昨年は特にオフラインマーケティングに力を入れ、セミナーやイベントを頻繁に開催してきました。そんな中で、あるときふと気づいたんです。「イベントやるのもおもしろいけど、実はイベント後の打ち上げトークの方がめっちゃおもしろいやん」って。赤裸々で、裏表ないものをそのまま伝えられるコンテンツを作りたいと思ったのが最初のきっかけです。
――その流れでそのままスタートしたのでしょうか?
酒居:
実際にスタートするまでには、もちろん時間がかかりました。マーケティングのチームなので、「なんでやるのか?」というのがもちろん必要です。
そのときに、今、動画をやる意義についてひたすら考えました。FORCASは未来のマーケティングを創ることをビジョンに掲げて、「プロダクト」の成長とB2Bマーケターの「コミュニティ」づくりを重視してきましたが、3つ目の軸として、いつか「メディア」が必要だと考えていたんです。未来のマーケティングを創るためには、情報と人のハブになるような媒体を自分たちで持つことが重要です。それが動画メディアだと考えました。
また、僕たちはセミナーやイベントを開催していますが、参加者との関係性をどんどん強めたいという想いがありました。セミナーやイベントを単発で開催しても、点でしかつながれません。その頻度を高め、接点を増やすことで「点から線」へつながりを強めてきたんですが、メディアでさらに第3の接点をつくれば、「線から面」へ拡大しお客さんとつながれる。未来のお客さんと強固につながるためには、絶対必要だという結論に至りました。
NewsPicksの動画制作チームに助けられた
――動画をスタートしてから、手応えはありましたか?
岩井:
まだまだ理想のカタチには遠いですが、僕たちが作りたいものを作れてきていると感じてます。2019年はもっと追求したいですね。
酒居:
社内外から反応があるのは嬉しいですね。セミナー・イベントで初めてお会いした人から、「マーケミニッツ見てます!」って言っていただくことが増えました。
――どのような体制で動画を作っているのでしょうか?
岩井:
僕と酒居さんの2人体制でやっています。僕自身、動画や機材のことがもともと好きだったのでできるイメージはあったんですが、プロの現場を経験したことがないので、最初は外の制作会社さんにお願いしました。でも僕たちが作りたいものを作るには、いつかは絶対内製化する必要があるだろうなと思って、とにかく勉強していました。
酒居:
それでいうと、同じユーザベースグループのNewsPicks Studios(WEEKLY OCHIAI等を制作)の存在は大きいですね。プロが身近にいる環境は本当に嬉しい。機材から台本、編集に至るまで色々と学ばせていただき、イベントと番組制作は全く別物なんだと気付かされました。
僕は明石ガクトさんのファンで、『動画2.0』も拝読しました。著書の中で、明石さんは「動画とは、情報の凝縮がある映像コンテンツ」だと仰っていて、マーケミニッツ!を制作する中で、まさにその通りだなと実感しました。一方で、情報を極度に凝縮しすぎてしまうと、僕たちのつくりたいものと違ってくるというようにも感じました。今、編集でコンテンツを凝縮する際、あえて「間」や「余白」を入れるようにしています。これはターゲットとしている視聴者の動画を観るハードルを考慮していることもあるんですが、僕たちがやりたいのは、最初の原体験である「居酒屋トーク」だということが大きいです。何も語らない「間」や、ただ笑っているだけの「余白」にも、言葉では伝えられない「その人らしさ」があるんじゃないかと考えています。
インターンに任せる文化
酒居:
ちなみに岩井は現在インターンなんですが、僕、岩井のことをインターンだと思ってやっていなくて(笑)。
(一同笑)
岩井:
「インターン感がない」「子持ちだと思ってた」ってお客さんからもびっくりされますよね(笑)。
酒居:
マーケミニッツ!を外注すると、通常だったら5〜6人のチームが派遣されてきますが、今は内製化して岩井と僕の2人で回しているんですね。もちろん人手がかかるところは他のチームメンバーにも手伝ってもらいますが、企画段階から制作まで協力してくれているのは、岩井1人です。
「いつかは内製化できるといいね」と言っていたけど、こんなに早く実現できるとは思っていなかった。これは彼の功績です。
岩井:
ユーザベースにはインターン合同説明会で初めて出会ったのですが、まさかここまで任せられるとは思っていませんでした(笑)。でも会社のお金がかかっているからこそ、絶対にしくじれない。そういう責任感が自分を成長させてくれたなって思います。
高校時代から動画が好きで、大学に入ってからもプライベートでも作っていたので、本当に好きなことをやらせてもらっている感覚です。酒居さんから「(マーケミニッツ!を)こういうコンテンツにしたいんだけど」って、思いついたらすぐに相談していただけるのはやりがいがあるし、本当に嬉しいですね。
酒居:
例えば「動画作るぞ!」ってなったときに、機材に詳しい、カメラやってましたっていう人は他にもいると思うんです。でも「こういうところ、こうしたらいいんじゃないですか」と提案してくれる人は本当に少ない。
オープンに会話して、ゴールから逆算して積み上げていけるメンバーは貴重です。そういうことができれば、社員やインターン生という立場は関係ないと思います。
2019年、FORCASマーケティングの挑戦
――2019年、マーケミニッツ!はどう進化していくのでしょうか?
岩井:
僕自身、今年は就活があるのでいったん抜けてしまうんですが、もっと進化させないといけないと思っています。実際の制作は酒居さんや後任のインターンに任せますが、就活の合間を縫って、できる限りのことは協力していきたいなと。
酒居:
今年はインタラクティブ性を上げていきたいですね。人の熱量を高めるために、インタラクティブ性は重要です。例えば事前に次の出演者を公開して、質問を募集するといったやり方も検討しています。
さらにマーケティングチームとしては、マーケミニッツ!に出演してくださったマルケトの福田(康隆)さんも仰っていたのですが、マーケティングには地上戦と空中戦のサンドイッチ的な発想が必要です。今年は空中戦の観点をさらに伸ばしていきたいと考えています。また、僕たちはABM(Account Based Marketing)という新しいマーケティングを広げていくのがミッションの一つなので、僕たち自身もABMを実践しつつ、新しいチャレンジをしていきたいと考えています。マーケミニッツ!は、そのコミュニティのハブとして、2019年はもっと拡張させていきたいと思います。