<GMO VP村松・宮坂>投資するスタートアップの見極めとは。 #UBJ #UBV #GMOVP

ユーザベース第5の事業としてスタートした、UB Ventures(UBV)。ユーザベースの成長エンジン「SPEEDA」でアジア市場を開拓してきた岩澤脩が代表に就任し、「原体験」を持った起業家やスタートアップへの投資を本格化していく。


今回は、ユーザベースをシード期から支え、UBVの戦略パートナーにもなったGMO VenturePartners(GMO VP)の村松竜氏と宮坂友大氏に、事業家のバックグラウンドを持つVCとしての心得を聞いてきました。

岩澤脩

OSAMU IWASAWA

UB Ventures 代表取締役社長 マネージングパートナー

慶應義塾大学理工学研究科修了。リーマン・ブラザーズ証券、バークレイズ・キャピタル証券株式調査部にて企業・産業調査業務に従事。その後、野村総合研究所での、M&Aアドバイザリー、事業再生計画立案・実行支援業務を経て、2011年からユーザベースに参画。執行役員としてSPEEDAの事業開発を担当後、2013年から香港に拠点を移し、アジア事業の立ち上げに従事。2018年、UB Venturesを立ち上げ、代表取締役に就任。

村松竜

RYU MURAMATSU

GMO VP 取締役/ファウンディングパートナー

株式会社ジャフコ入社、GMOインターネットを担当。米国シリコンバレーの現地法人に駐在。GMOインターネット上場後、1999年カード決済処理サービスの株式会社ペイメント・ワン設立、株式会社カードコマースサービスと経営統合し、GMOペイメントゲートウェイ株式会社に社名変更し2005年にマザーズ上場、その後東証一部上場。取締役副社長を現任。 2005年GMO VenturePartners株式会社を設立。2012年よりアジア市場に賭けるためシンガポール駐在。23年で通算140社以上投資・創業関与、13社が上場、7社が1000億円以上の時価総額となる(GMOインターネットを始め直近ではメルカリ)。早稲田大学政経学部卒。今回のインタビューにはSkypeで参加。

宮坂友大

TOMOHIRO MIYASAKA

GMO VP 取締役パートナー

ネット総合金融グループの金融持株会社SBIホールディングスを経て、2006年に住友信託銀行とSBIグループの出資による現住信SBIネット銀行の立ち上げに参画。2008年より当ファンドに参画し、2013年よりパートナー就任、現職。慶應義塾大学経済学部卒。

スタートアップエコシステムの「これからの10年」

岩澤:

GMO VPは2005年に創業され、今年スタートしたUBVにとって大先輩にあたります。

お二人の視点から、これからの10年、日本のスタートアップエコシステムはどう変わっていくと考えられていますか?

村松:

景気の波は、だいたい8年サイクルで好況と不況を繰り返しているのですが、前回リーマンショックの影響でどん底まで落ちた2009年から、もうすぐ10年が経とうとしています。アメリカの利上げ、高い関税問題やトルコショックなどからしても、徐々に次の冬は近づいて来ていると考えた方がいいでしょう。

不況になると、潰れる会社や諦める経営者が増える一方で、本物の起業家が現れるんですね。というのも、この時期に起業するのは、経済状況に関係なく、どうしても成し遂げたいことがある強い思いを持つ人だから。ある意味、クレイジーな経営者です。

私たちがシード期から投資していたユーザベースも2008年に創業されていますが、同年にはリーマンショックが起こり、まさに経済がどん底のタイミングでした。当時は企業の倒産や縮小が相次ぎ、解散するVCも多くあった。だけど、ユーザベースは常に挑戦を選択し、着実に成長してきました。その姿を信じて私たちは投資し続けました。

これから、経済が嵐のような状態になっても起業してくる人たちに対して、スタンスを変えずに投資し続けられるか。VCにとっても試される時期になると思います。

宮坂:

いずれにしても、人口減少で経済規模は小さくなるので、まだ顕在化していない社会課題もたくさん起こることになるでしょう。社会課題はスタートアップの種なので、きっと起業家も増えてくる。経済状態が良くない中で、起業家もVCも歯を食いしばれるかどうかですね。

岩澤:

たしかに、ユーザベースの創業時は市場環境が厳しかったからこそ、プロダクトにエッジを立てて踏ん張り、ユーザーに支持してもらえるサービスをつくり、成長につなげてきました。

宮坂:

環境が悪くなっても、思った通りいかないことが起きても、予算を達成できているのか。仮に予算達成できなくても理由を特定させて対策とともに周りを納得させられているのか。投資家との長期的な信頼関係をちゃんと築けているのか。一見、基本に思えるこうした行動をどのレベルでできているのか、これが将来の会社の姿を映しています。この辺りがスタートアップの見極めポイントになると思います。

 

投資基準は、人とエネルギーの源泉

岩澤:
GMO VPは投資するスタートアップをどのように見極めているのでしょうか。

村松:

見極めるのは人です。創業者1人ならその人、チームができているならチームを見る。1人の人を数時間で理解するのは簡単ではないけれど、2人でも3人でもチームができていれば、会話や信頼関係の築き方などの情報量が増えるので見極めやすい。

人を見る上で重視しているのは、その事業をやる理由の深さがあるかどうか。なぜやるのかを聞いたとき、深い動機が無い人は壁にぶつかったとき簡単に諦めてしまいます。それから、プロダクトに対してあらゆる角度から質問をしたとき、打ち返せるかどうかもポイント。あまり答えられない人はプロダクトに興味がないので、投資しないことが多いです。

宮坂:

起業して茨の道を進むためにはエネルギーが必要で、そのエネルギーの源泉は何なのかが重要です。思いつきではなく、「この事業は日本にとって絶対に重要」とか、「こんなに辛い経験をしたから絶対に解決したい」などの強い思いや原体験からくるエネルギーは大きいので、起業後の逆境をはねのける推進力になります。

岩澤:

私も原体験がある起業家を何より重視したいと思っています。原体験に基づく志があれば、いいメンバーが集まるはずなので。

ちなみにユーザベースの経営会議でお会いしていた際に、おふたりはバンバン意見するのではなく、経営者が窮地に陥った時に手を差し伸べる、「おせっかいをしない」スタンスを取られている印象を持っていました。あえてそういう距離の保ち方をしていたのでしょうか?

村松:

会社によって事業状況や役員構成、バックグランドは千差万別。だからそれぞれの状況によりますが、ユーザベースの場合は創業者の3人に、基本的にはお任せするスタイルを取っていました。

とはいえ、同じ目線でプロダクトの話ができるよう、最初の2年は私たちはSPEEDAの営業活動に時間を割きました。その経験をしたうえで、経営会議に参加する。会議の場では、外部者だから気づけた意見を一つ二つは用意していました。

宮坂:

事業のことは経営陣が150%以上考えているので、「○○をやりなさい」とは言わない。あくまで外部視点で様々な成功・失敗経験を見たアドバイスや、抜け落ちている視点などを伝えるようにしています。

村松:

ユーザベース経営陣から印象に残っていると言われた「一言」としては、まだ創業間もない頃でしたが、過去にない好業績で、売上目標を99%達成しそうなときがあったんですね。もともと目標が高いこともあって、とにかく99%を達成しようと経営チームも盛り上がっていたのですが、「そこまできているのなら、100%達成を目指すべき、99.9%と100.1%は天と地ほど違う」と話をしました。

冷や水を浴びせるような形になりましたが、そこから皆さん猛烈に頑張って100%以上を達成。この経験によって視座が上がったらしく、それ以来毎年高い目標を達成されています。僕らもそのように事業をしているからこそ、頑張りどころを当事者目線でお伝えしたのですが。

村松さんはシンガポールからSkypeで参加

参考:ユーザベース取締役(共同創業者)新野のPickコメント(【求人掲載】ベンチャーがVCを選ぶ基準。GMO-VPが選ばれる理由 より

 

UBVの存在が、ユーザベースのプレッシャーにもなる

岩澤:

これからUBVは、事業家発VCであるGMO VPのDNAを引き継ぎ、本格始動します。我々の強みは、複数の事業を持ち、上場経験もあるので、スタートアップより数歩先を歩く存在のVCになれることだと思うのですが、お二人から見ていかがでしょうか。

宮坂:

UBVは、スタートアップから見ると“お兄さん的存在”だと思います。お父さんほど年が離れていないけれど、経験がある。こういう存在が今までもいたのかを振り返って考えても、なかなか思い浮かばないですね。岩澤さんが言う通り、ユーザベースにはB向けC向け、海外事業もあり、上場もしている。だから、「イケてるお兄さんVC」として、ぜひ突き抜けてください。サポートできることは全力でしますので。

村松:

ユーザベースは、シード期からVCをうまく使っていた会社だと思うんですね。最初は少額の増資をしてすぐに黒字化し、「NewsPicksを立ち上げる」「SPEEDAで海外展開する」など、次にアクセルを踏むタイミングで10%ずつ増資し、うまく上場もした。

そんな会社が立ち上げるVCは珍しいですし、事業を作ってきた岩澤さんたちが、そのままベンチャーキャピタリストになるのも珍しい。ただ一点お願いしたいのは、ユーザベースの事業成長が止まると、UBVは簡単に「イケてないお兄さん・説得力のない投資家」になってしまうこと。GMO VPが13年の間、事業者目線のVCとして活動を続けてこられたのは、GMOペイメントゲートウェイの成長継続があったからこそ。

岩澤:

UBVを展開することが、ユーザベース本体のプレッシャーにもなるということですね。VCでも自分たちの事業でも結果を出し続けることで、「イケてるお兄さん」としてスタートアップに支持してもらえるよう、これからも頑張りたいと思います。

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