2020.12.10 NewsPicks

「広告だけど面白い」番組を作る――クライアントと制作現場をつなぐNewsPicks Studiosのセールスチーム

NewsPicksが2018年に立ち上げた、次世代映像コンテンツの企画・プロデュース集団 NewsPicks Studiosは「映像の力で、経済をもっとおもしろく。」をミッションに掲げ、「The UPDATE」や「WEEKLY OCHIAI」「OFFRECO.」など、さまざまな動画コンテンツを作ってきました。今回はセールスチームのリーダーを務める吉澤とメンバーの新井、そしてチーフプロデューサーの木嵜に、スポンサード番組を制作するうえで大切にしていることや、NewsPicks Studiosならではの強みについて話を聞きました。

吉澤 立彦TATSUHIKO YOSHIZAWA

NewsPicks Studios セールスチーム

広告領域のビジネス開発を担当。慶應義塾大学卒業後、新卒でADKに入社。コンテンツプロモーション、テレビ広告の営業・企画、海外向け動画プラットフォームの運営・広告モデル開発を経験。TVISION INSIGHTS社を経て、当社のビジネス立ち上げ・マネタイズに従事。

新井 淳記JUNKI ARAI

NewsPicks Studios セールスチーム

広告セールス・ビジネス開発を担当。早稲田大学卒業後、ADKに入社。中部支社と本社で営業としてメーカー、通信、食品、インフラ等の広告プロデュースに従事。好きな芸人は「金属バット」。

木嵜 綾奈AYANA KIZAKI

NewsPicks Studios チーフプロデューサー

NewsPicks Studios 「The UPDATE」「OFFRECO.」チーフ・プロデューサー。 早稲田大学卒業後、東芝EMIで営業、洋楽部でメディア・プロモーションを担当。 渡米し、テレビ東京NY支局のディレクターに。 フロリダではForbes Japanの取材を担当。 在米10年を経て、帰国。二児の母。

メディアのコンディションを保つこともセールスの大切な仕事

――NewsPicks Studios(以下、NPS)での仕事内容を教えてください。

新井 淳記(以下、新井):
主なミッションはNPSのマネタイズ、クライアントの見据えるゴールに向けてタイアップ企画を制作サイドと一緒に作り上げていくことと、リーチしたいコアターゲットに向けた最適な配信先のプランニングです。

NPSの配信プラットフォームはNewsPicksだけではなく、一緒に番組づくりを組んでいるTwitterや、タクシー動画広告のGROWTH、YouTubeにも配信してます。クライアントの要望を汲み、どういったターゲット層にどれくらいリーチするのかをプランニングする必要があるんです。他にもブランディング、商品PRへの寄与などを担当しています。

吉澤 立彦(以下、吉澤):
ちょっとテクニカルな話をすると、動画コンテンツはテキスト記事と比べて、ターゲットへリーチすることで真の威力を発揮するところがあるんですよ。なのでNewsPicks読者層にピンポイントでリーチするだけではなく、より広い層へ拡散することにクライアントは意義や価値を見出している。だからTwitterなどの外部メディアを活用しながらリーチを広げていくというプランニングが必要になっているわけです。

新井:
タクシーに乗っている人とTwitterを見ている人、NewsPicksを見ている人って、それぞれ違いますよね。例えばクライアントの要望が、学生や若者を中心にリーチしたいということであればTwitterへ、経営者や意思決定者層へということであればNewsPicksとタクシーを組み合わせる……という感じで、案件に応じてプランニングしています。そういう点では、広告代理店的な動き方に似ているかなと思います。

木嵜 綾奈(以下、木嵜):
私はNPSの番組制作を担当しており、外部の制作会社と協力しながらコンテンツを作っています。「The UPDATE」という番組を例に挙げると、社内の制作チームで関わっているのは6名くらいですね。実際に手を動かしている外部の制作会社を含めると、一つの番組を作るのに20人以上が関わっています。

――1つの番組が、企画決定から実際に放映されるまでの期間はどれくらいですか?

新井:
目安としてはだいたい1.5ヶ月くらいですね。タイトな案件の時は、制作チームのメンバーに相談しながら1ヶ月弱で……ということもあります(笑)。

吉澤:
セールスは、常に5~10本前後の企画を同時並行で進めながら、それ以上の数の案件をクライアントに提案しています。「OFFRECO.」や「The UPDATE」でやる場合、クライアントの要望を木嵜さんたち制作チームと相談しながら、すでにある番組のフォーマットに当てはめていき、コンテンツ価値を活用してレバレッジをかけていくスタイルで制作していきます。もちろん中にはゼロから作る番組もありますよ。その場合は制作に1.5〜2ヶ月くらいかかります。

木嵜:
私は収録案件や生配信も含めて、約10本の案件を同時に進めています。セールスと一緒に動く案件は、企画が決定してから急ピッチで動くこともあって、今抱えてるクライアント案件の中には放映まで3週間っていうタイトなのもあって……超ヒヤヒヤしているところです(笑)。

吉澤:
広告代理店のセールスの場合、収益の源泉=クライアントの要望を叶えること。なので、クライアントのための力学が働くのは当然だと思います。でも我々はメディアのセールスで、メディアとしてのコンディションを保つことも大切な仕事なんです。「できること」と「できないこと」をセールス側で選別していくことも必要になります。

僕はクライアントとのやり取りは、全てセールス側で済ませた方が良いと考えているんですが、時には制作側のメンバーから代理店やクライアントに直接説明してもらった方が「なるほどね」と納得してもらいやすいこともあります。そのあたりはコミュニケーションのハブ役として、さじ加減を調整する感じですね。

必要なスキルは「察知力・決定力・交渉力」

――制作側として、印象に残っている広告案件はありますか?

木嵜:
「The UPDATE」でタイアップした海外取材案件は、大変なことがいろいろとありましたね。急にスケジュールが決まってギリギリの進行でしたし、ビザの審査や申請手続きもあるし、現地に到着してすぐ撮影にとりかかったんですけど、雨に降られて晴れ待ちがあったりとか……。クライアントからも要望はもちろん出てくるし、デザイナーが「そんなのダサいから作りたくありません」って言い出すし、とにかくカオスでした(笑)。

配信先のセールスが受注した案件だったので、企画の仕切りが自社セールス案件と勝手が違ったんですよ。しかも初めての海外取材の案件だったから、スタッフや出演者も慣れていなくて。関係各所と衝突しながらも、最終的にはこの経験でタフになれたし、経験値が上がったなと思います。なんだかんだで面白かったです。

吉澤:
あの案件は我々も初めてのことも多かったので、どこまで要望を受けるべきか手探り状態でした。「反省は後でしよう」という感じで、とにかく現場の進行を切り盛りするのに必死だった。振り返ってみると全ての要望を聞き入れることが、必ずしもNPSとしての価値提供としてベストとは限らないんですよね。

その後もさまざまな案件を経験し、どんどんノウハウがたまってきました。NPSだからこその価値をクライアントにも配信先にも明示できるし、そうしたナレッジはNPSセールスの武器になってきていると思います。

――NPSのセールスとして大事なスキルを3つ挙げるとしたら何でしょう?

新井:
察知力・決定力・交渉力です。「察知力」は常に周りとコミュニケーションを取りながら、情報収集のアンテナを張っておくスキルのこと。「今は制作側のリソースがやばそうだな」と事前にわかっていれば、リスクを回避できますから。

「決定力」はセールスとして少しでも商談が成立する可能性があれば、しっかり押し込んで数字に落とし込む力ですね。「数字で語るセールス」としては必要な要素なのかなと思います。

「交渉力」は「調整力」と置き換えてもいいかもしれません。クライアントからの要望を全て聞いていてもいけないし、断るというカードを持ちながら、落としどころを探っていく能力は、NPSのセールスとして重要かなと思います。

吉澤:
あとはオーナーシップですね。セールスって自分が持ってきた案件は、自分が仕切り役・意思決定者にならなきゃいけないと思うんですよ。そのためにはオーナーシップが大事。。この案件を最終的にどうまとめたいのか、クライアントと今後どのようなお付き合いをしていきたいのか、ビジョンを掲げて制作サイドにも共有するスキルですね。

オーナーシップを持っていれば、調整力が問われる局面で断るべきなのか、それとも今後を見据えて受けるべきなのかを判断できるだろうし、それを制作サイドに伝えて相談もしやすいはず。

みんなプロフェッショナルなので、各々の主張はあるじゃないですか。「それ言われても困ります」って。だからといってクライアントに「うちのスタッフが対応できないと言っておりまして……」なんて説明は通用しないし、「いや、それはNPS内の仕切りの問題でしょ?」という話になってしまいすよね。やはりセールスがオーナーシップをもって、案件を推進していくことが求められるんです。

木嵜:
制作サイドとしては、クライアントに迎合しすぎない人、断るべきところは断ってくれる人は良いセールスだなって思います。プロジェクトとしてのゴールに向かいつつ、クライアント・制作とバランス良くコミュニケーションを取ってくれる人は、すごくありがたいです。

新井:
クライアントに対して「断るカード」を持って交渉できるのは、番組コンテンツの持つ力が強いからなんですよね。逆に言うと、クライアントに求められるものを作っている自負がセールス側にもある。だから「ここは了承していただかないと、このコンテンツは使えないんですよ」と強気のカードが切れるところがありますね。

――代理店や他メディアのセールスとの違いの源泉は、自社に「強いコンテンツ」があるということですか?

新井:
そうですね。代理店は手を変え品を変え、いろいろな提案をして予算を取ってくるスタイルが中心です。なので、立場的にクライアントの意向に沿わなければならないことが多いと思うんですよ。でも我々は強いコンテンツを自社で持っているので、忖度なく対等なコミュニケーションが取れます。さらに双方にメリットがなければ「今回はお断りします」というカードが出せる。これは大きいですね。

吉澤:
もちろん我々もクライアントから指名していただいて、売上をいただけるのはありがたいです。でもNPSのコンテンツは、使い方によってはすごくレバレッジがかかります。「本当にNPSでやるべきですか?」というクライアント視点の「べき論」にお付き合いできるのは、セールス担当としてありがたい話だなと思っています。

クライアントと一緒に良い形でお取り組みできそうにないのであれば、むしろ他のメディアや他の施策を検討した方がいいですよ、とお伝えすることもできます。むやみに迎合しなくて良いスタンスが取れるのは、セールスとして大きな強みだと思います。今後のクライアントとの中長期的なリレーションという意味でも、そういうお付き合いができる方が絶対良いですよね。

「広告だけど面白い」番組を作り続けたい

――今後どんなことにチャレンジしていきたいですか?

新井:
まずはNPS単体での黒字化ですね。会社としてNPSが1人立ちできるようになれば、スタンスも変えられると思うんですよ。自由度も広がるでしょうし、当然それに応じて我々の活動範囲も増えるはず。なので、まず実績を作らなければと考えています。

個人の課題としては、地方案件をもっと増やしたいと思っています。もともと地方で働いていたこともあり、まだ見ぬ優良企業にスポットライトを当てて、良いコンテンツを作っていきたいですね。

吉澤:
会社をサステナブルな存在にするために、より売上を拡大することが重要です。売上目標を達成することを大前提とした上でチャレンジしたいのは、いわゆるナショナルクライアントと言われる企業に対して、どう価値提供するかをもっと突き詰めることです。

木嵜:
私は地方も海外も、いろいろなところに行きたいと思っています。広告案件の番組作りって準備から大変なんですけど、出来上がるとクライアントの方々が「楽しかった!」と喜んでくれて、すごくやりがいと達成感があるんです。これからもクライアント満足度がありつつ、視聴者も面白いと言ってくれるコンテンツを作っていきたいです。

吉澤:
「OFFRECO.」や「The UPDATE」って、いわゆる気軽に見れるバラエティ番組ですよね。NewsPicksのユーザー層を広げる役割を担っている中で、番組のファンにスポンサード回が面白いと感じてもらえるか、セールスとしてとても気になります。

「OFFRECO.」でスポンサードの回を公開した際、Twitterで1件だけ「スポンサー回かよ」みたいなコメントがありました。これはスポンサード番組であることを明示している以上、ある意味仕方がないかなと。一方で動画内のコメント欄には好意的なコメントがたくさんあったので、視聴者に楽しんでもらえたことが可視化できたと捉えています。クライアントにも広告価値をきちんとお返しできたので、やって良かったですね。

新井:
クライアントもNewsPicksへ投資している中で、スポンサード番組がNewsPicksのユーザーにどれくらい「面白い!」と思われているかを投資対効果の指標にしているはずです。そういう意味で、ゼロから動画番組を作るよりも、ベースとなるコンテンツがあって一定の期待値を持てるのはNPSの強みなんです。このプラットフォームが成り立つのは、今までNewsPicksが培ってきた実績があるからこそ。これからもその強みを発揮して、視聴者・クライアント双方に楽しんでもらえる番組づくりをしていきます。

木嵜:
制作サイドとしては、もともとの番組のファンの方がいらっしゃるので、スポンサード回とオリジナルの通常回とのバランスは考えないとなりません。クライアントやセールスの意図を汲みつつ、今後も「広告だけど面白い」っていう番組作りを続けていきたいですね。

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