2017.11.24 UB Culture

「情熱を高め、幸せに仕事をするには」

ユーザベースでは率直に思いをシェアする「オープンコミュニケーション」を大切にして、社内のSlackでもオープンに議論を交わしています。この記事では、共同創業者の新野を交えてSlackで行われた「情熱を高め、幸せに仕事をするには」という議論の様子をお伝えします。

新野良介Ryosuke Niino

Uzabase Co-Founder

ユーザベース共同創業者。大学卒業後、三井物産生活産業セグメントを経て、UBS証券投資銀行本部にて消費財・リテールセクターを担当。2008年に株式会社ユーザベース(Uzabase, Inc.)を設立。現在は取締役を退任して、持病の療養に専念している。

佐久間衝Taira Sakuma

Uzabase B2B SaaS Company CEO

UBS証券投資銀行本部にて、テクノロジーセクターおよび金融法人セクターを担当し、企業の財務戦略アドバイザリー業務に6年間従事。2013年、株式会社ユーザベースに参画。2017年より株式会社ジャパンベンチャーリサーチ(現株式会社INITIAL)、株式会社FORCASの代表取締役に就任。2020年よりユーザベース取締役候補/B2B SaaS事業 CEOに就任。

執念や情熱を高めるために効果的なことは?

小野寺(SPEEDAプロダクト開発チーム):

「新野さん、先ほどは発表ありがとうございました。質問がその場で思い浮かばず今頃の質問ですみません。

私が聞きたいことは、 「執念や情熱を高めたいと思っており、そのために意識的にやっていること、効果的だと思うことは何かありますか?」 です。

梅田さん(共同経営者)が(別のみんなの会で)仰っていた 「不安になった時、いつも勇気をくれたのは、プロダクトとチームです」 という言葉は私にはすごく刺さりました。

でもそれはダウンサイドの時に活きてくるなーと捉えていて、苛烈な競争市場で挑戦していくなかで、アップサイドで徹底的に執念や情熱を高めるために具体的に何か意識していることがあれば教えてほしいです!」

 

情熱の最大の敵は「分散」である

佐久間(執行役員):

「小野寺くんのこの質問、最高に良い質問だね。

これは私の人生の大テーマの1つでもあるので、勝手に私の現時点の考えを書きます。明らかに、新野さん、梅田さんに大きな影響を受けています。

いきなりですが、情熱を高め、頻繁にゾーンに入り、わくわくに満ちた人生を送るために、重要だと考えている3つの考え方をあげます。

 

① 情熱は見つけるものではなく育てるもの
② 情熱のカケラである「好き」を信じ、それに委ねる
③ 情熱の対象への集中 、無意識の集中が情熱を高める

 

①、②について。「情熱を感じるものが見つからない」という状況は多くの人に起こりえることだと思います。私も実際、28歳、29歳の頃にその症状をこじらせ、日々思い悩んでいました。新しいことを学ぶ。人と話す。一日中考えてみる。それでも状況は変わらない。

よく、「本物の情熱」という言葉を梅田さんが使いますが、まさに、その「本物の情熱」を青い鳥の様に探していました。結果、何も見つかりません。少なくとも、私には青い鳥は存在しませんでした。

私がユーザベースに入った理由は、そこに情熱の対象が見つかったからというのではなく、「分析が好き。Webサービスを作るのが好き」という感情に身を委ねようと決めたからです。

情熱の一つ手前の「好き」という感情を信じる。そして、その「好き」の対象に集中し、長時間打ち込むことで、「好き」が「情熱」に変わる。今、私にとって、「経済情報の分析インフラをつくる」というビジョンは、好きから情熱に変わっていると感じます。

この過程を経て、今思うことは、情熱は見つけるものではなく、大事に育てるものだということです。ゼロから情熱は生まれない。情熱は探すものではない。「好き」という情熱のカケラへの直感を信じ、その対象への施行の数と思考の量が情熱を生む。

 

・情熱があるから行動と思考が生まれる
・行動と思考があるから情熱が生まれる

 

これは完全にパラレルです。「好き」という直感を信じ、行動し、思考し、それを集中して長時間蓄積することで、「情熱」が生まれる。「情熱」があるからこそ、集中した行動と思考が生まれる。こう考えると、「情熱」は集中された思考と行動の一つの「慣性」とも言えるかもしれません。

 

情熱の最大の敵は「分散」です。

 

思考と行動の分散は情熱を妨げる。思考と行動の集中が情熱を生む。特に、私が重視しているのは「無意識に情熱の対象のことばかり考えている状態」をいかにつくるか、というポイントです。これが③ですね。

その為には、無意識の思考の対象物を意識的に少なくすれば良い。新野さんの言う「曖昧な思考を、体を整えてクリアに整理する」と同じです。私が実行しているステップは以下の通りです。

 

① 集中することを明確に決める
 (3つとかではなく1つ。少なくとも1日1つ)
② 1日のスケジュールを予め決め、「何をやるか考える」時間を無くす
 (何をやるか考える時間は無意識を奪ってしまうため)
③ 無意識の時間に他のことが思い浮かんだら、思考を矯正する

 

これは行動と思考のスキルで、誰でも実行できます。③だけ一定の(瞑想的な)トレーニングが必要ですが、①、②はすぐに出来ると思います。

高城剛さんや堀江さんの「多動力」はこれと相反する考えに見えますが、彼らは好きという直感を信じる力と、そこに集中する力が尋常では無いため、ナチュラルに情熱の対象を多く持てるのだと考えています。

最後に、集中することについて、ドラッカーの以下の名言を伝えて終わります。

 

集中とは何か? それは真に意味あることは何か、もっとも重要なことは何か、という観点から時間と仕事について自ら意思決定する勇気のことである(『プロフェッショナルの条件』より)

 

突き詰めれば、集中すれば、情熱が生まれ、人生がわくわく感に満たされるはずだと考えています。」

 

小野寺:

「ありがとうございます、参考になりました!情熱と好きの親子関係は興味深いですね。

佐久間さんの投稿を見て、その通りだとあらためて気づきました。というのも僕は本当にIT技術が子供の頃から好き過ぎて幸運なことに自然体でITが好きであり熱中しそれに情熱を注いできました。究極的にはITで社会を変えたいと思ってきました。

入社して数ヶ月が経ち、ユーザベースが夢に熱中なれる環境になっているのが嬉しくて仕方ないです。やりたいと思ったことは何でもできる風通しの良さが半端ないです。

技術でいえば、データセンターのメンテやったり、サービスの安定性改善したり、普通のサービス開発をしました。ビジネスでいえば、これからなのですが、顧客に寄り添ったサービス開発をしたいので色々取り組みたいです。ちなみに今日は研修同行帰りです。

ただ自分が手を広げすぎるのを注意してて、自分の好きと情熱を尊重し、佐久間さんの集中の話を参考にして中途半端な仕事は避け、選択と集中を実現したいと思います!」

 

情熱はワクワクから育てるもの

新野:

「小野寺くんの『情熱・執念をもっと高めるにはどうすればよいか』という質問に対し、とても本質をついた良い質問だと思い、一生懸命考えた結果、さっくん(※佐久間)の回答と同じでした(笑)。

まず、経験的に、以下の3つが正しい、と思うんだよね。

1つめは、誰でも自分の中で、「好きなこと・自分をより活かせること」がある。(つまり、その人の固有性。自分の中の相対感でよく、絶対的に得意である必要なんて全くない。また、好きな対象(モノ)ではなくて状況(コト)でもよい。)

2つめは、誰でも、「手塩にかけたこと」をより好きになる。

3つめは、誰でも、「好きなこと」が一番苦労なく継続できる。

上記3つを正しいとすると、「情熱・執念をもっと高めるにはどうすれば良いか」に答えると、以下の方程式かと思います。

 

自分の固有性を発揮する領域でまず始める

その領域で「手塩にかけて仕事」する

そうすると、ますます「好き」になる

ますます「固有性×手塩」をしたくなる

そうすると、ますます「好き」になる

そうすると情熱・執念が高まる

(例)子供が生まれて可愛い(原初的な固有の喜び)→子供がすくすくと育つように誰よりも心を砕く→そうすると、ますます子供を愛するようになる→ますます子供のために生きていく→その子供に対する情熱がホンモノになる

 

ということで、 情熱・執念は単純なワクワク(固有性、自分を活かすこと)から始まり、「つけるもの」ではなくて、「育てるもの」 ですね。

で、僕が思うに、その情熱・執念を阻害するものは、「集中」よりも、習慣的思考(自分が当然と思うメンタルモデル)や未来への不安じゃないかと思う。僕が好きな仏教的にいえば、未来への不安や習慣的な思考が、集中を阻害し、より無明の状態になる。

例えば、Aくんと梅ちゃん(※梅田)がいるとする。2人とも「いつか海にすみたいなー」と思っている、とする。(つまり、「固有の好き」がある。)

で、Aくんは、「でも、海から通うのは通勤が大変かな。。子供の教育には都内の方がよいかも。。海に住むとは引退してからが普通かな。。。俺にはまだ早いか」と1年くらい考えた上で、「いつか、そうしよう」と決める。

その1年間、梅ちゃんは、最初の1週間で物件を探しはじめ、「とりあえず、1年、住んでみよう」と住み始める。そうすると、最初の1年目は「やっぱり、冬の葉山はつらいね、、、まじ、つれー」とか言いつつ、せっかく越したので、ということで庭つくり等、したかったことに精を出し始める。

さて、1年後でみると、Aくんと梅ちゃんは、「海の近くに住みたい」という「固有性の好み」に対し、手塩にかける量も、そこから学ぶ量も、全然違うわけだ。

このAくんと梅ちゃんを、「メディアをかえたい」と思っている大手企業のトップジャーナリストBさんと佐々木さん(NewsPicks編集長)でも、同じだよね。

このAと梅ちゃんの違い、Bさんと佐々木さんの違いは、何か。

結局、Aくん、Bさんが、未来への不安や習慣的思考が強く、「どんどん試す」ことに少しだけ臆病なだけではないだろうか。」

 

小野寺:

「ありがとうございます!

お二人が考えた結果の執着点が同じというのはきっとそれが本当なんだからだと思います。純粋にそしてストイックに「好き」を育てていく。そして、「好きこそ物の上手なれ」ということわざの通り、そこから情熱や執念が自然と高まる唯一にして最高の正攻法なのだと感じました。

未来への不安や習慣的思考から離れ(=Think beyond!)、どんどん行動し、挑戦していきたいと思います。」

 

新野:

「より考えるべきは、よい辛抱と、悪い辛抱の見分け方だよね。なんでも辛抱しなければ、モノにならないわけだけど、どんな辛抱はよい辛抱なんだろうね。

好きなことをやるにも辛抱は必要。自分の好き、がよくわからない場合は、自分をより活かす、という視点で、仕事をみると良いね。」

 

小野寺:

「なるほど!それも参考になります!」

  

あわせて読みたい

なおこの「本物の情熱」については、現在集中連載中のベンチャーナビでも、同じテーマの話をお伝えしています。興味のある方はこちらもぜひお読みください。

 

では、そのエンジンのガソリンは何か。それは最終的に情熱であり、執念なんですよね。ですから、起業家の素養として究極的に1つ挙げるなら、「本物の情熱=執念が強いこと」。これに尽きると思います。──内から湧き上がってくるというか、自然に出てくる情熱ですね。

そうですね。その話をしたら弊社のメンバーが「その執念や情熱を強くするにはどうしたらいいか」というとても良い質問をしてくれました。それが判明したら、続々起業家が出てくるのではないかと思うので、乞うご期待ですね。

でも、少なくとも私の仮説としては、「情熱や執念は身につけようと思って身につけるものではなく、既に持っているものを引っ張り出す」ということではないかと考えています。「情熱を強くする方法」ではなく、「どうやったら既に持っている情熱を引き出せるか?」という命題設定にして考えていくべきかもしれませんね。

 

起業家にとって究極的に必要な1つの素養とは ユーザベース 新野取締役(第2話)|ドリームインキュベータ Venture Navi

 

※引用中、太字・斜体は編集部による
※この記事は、新野の体調不良による経営体制変更より前に行われた社内でのやりとりを基にしています。

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