2020.03.04 Uzabase Corporate

「法律家ではなく、事業家としてどう考えるか」――経営者との議論も求められるユーザベースのLegalチーム

ユーザベースの法務(Legal)チームは、企業買収やグループ会社の米国進出、取締役会の運営などのプロジェクトに加え、各事業から日々さまざまな法務相談が持ち込まれます。ユーザベース入社前に法律事務所とインハウスの両方の経験をしてきた森田と、法律事務所で約10年間の経験がある武田に、ユーザベースならではの面白さ・やりがいについて、それぞれの視点から語ってもらいました。

森田 岳史TAKASHI MORITA

Legalチーム リーダー

2005年慶応義塾大学法学部法律学科卒業、2007年慶応義塾大学法科大学院卒業。2008年12月に馬場澤田法律事務所に入所し、現在も所属。2011年4月〜2016年3月慶応義塾大学法科大学院助教、2014年10月~2018年6月株式博報堂DYホールディングスを経て、2018年7月にユーザベースに入社。

武田 彩香AYAKA TAKEDA

Legalチーム

2008年北海道大学法学部卒業。2009年9月に森・濱田松本法律事務所に入所し、主に国内外の訴訟・紛争、労働法関連業務に携わる。2015年~米国コロンビア大学ロースクールに留学し、LL.Mプログラムを修了(NY州弁護士登録)。Herbert Smith Freehills(ブリスベンオフィス)、法務省訟務局国際裁判支援対策室、シンガポール国際仲裁センターでの出向・研修を経て、2019年11月にユーザベースに入社。森・濱田松本法律事務所にも引き続き在籍し、兼業のあり方を模索中。

他領域のプロフェッショナルとの会話が楽しい

――武田さんは法律事務所出身とのことですが、ユーザベースに転職してみて、最初の印象はどうですか?

武田:
法律事務所にいても、経営者の方々とやり取りをする機会はたくさんあります。ただ、事務所にいらっしゃる方々は、何か問題が起きたときや、プロジェクトを進めたいときにいらっしゃるので、具体的な論点の解決に集約した会話になることが多いんですね。

でもユーザベースに来てみると、経営陣は「今ここにある論点を、今ある枠組み(法律)の中でどうするか?」という思考ではなく、「このサービス/プロダクトはこうあるべきだ。だから、その『あるべき』を実現するために何ができるか考えていこう」という順番で話をされるので、「そこから始めるのか!」と。これは結構大きな衝撃でした。

あとはシステムエンジニアやコンテンツをつくる人など、今まであまり関わってこなかった職種の人たちとの関わる機会が増えました。これまで知らなかった知見・知識にたくさん触れることができて、単純にすごいなと思うし、新鮮で楽しいです。毎日何か新しいことを知ることができる、知的好奇心を刺激される日々です。

――逆に入社前に心配だったこと、入社してみてギャップを感じたことはありますか?

武田:
事務所によって違いはあると思いますが、法律事務所の場合、いわゆる「定時」の概念がなく、「やるべきことをやれていれば、何時から何時まで働いても良い」という感じなので、「9時に出社して17時に帰る」ような働き方には馴染んでいなくて。面接では「ユーザベースは自由主義だ」と聞いていましたが、働き方が違いすぎてストレスを感じないか少し心配でした。

でも実際に入ってみたら本当に徹底されていて、働く時間や場所を自分でコントロールできるし、自分のやるべき仕事をちゃんとやっていれば評価してもらえるところは、法律事務所の働き方に似ています。環境が変わったことによる面白さもありつつ、法律事務所出身の弁護士がストレスを感じやすい会社のルールのようなものがほとんどないので、この会社にして良かったなと感じています。

――出会う人や考える内容は変わるけど、働き方はそんなに違和感がなかったんですね。

武田:
そうですね。弁護士って「組織内での根回し」とか、案件の中身そのものに関係ないタスクが好きじゃない人も多いと思うんです。法律事務所でも所内の偉い人(パートナー)に話を通すために根回しして……ではなくて、あくまで「その案件・クライアントにとってベストな策は何か」をチームで議論して決める傾向が強くて。

大企業や役所だと組織内で意見をまとめるための根回しのようなことがあると思うんですが、ユーザベースはCEOや役員も含め「じゃあチームで集まって決めちゃおうよ」というコミュニケーションが普通に行われていて、すごく効率的だし、常に”コト”に集中しているので、プロフェッショナルファーム出身者にも馴染みやすいんじゃないかなと思います。

森田:
自由主義っていうのは本当にそうですね。細かい話ですが、会社に来なくても問題ない、その代わり会社に対して約束する結果は徹底的に定量化することを求められ、それを満たしたどうかで評価されます。

他領域のプロフェッショナルなメンバーとの会話に刺激を感じるのは、僕も同じ意見です。例えば千葉さん(CFO)と話していると、彼は投資家から常に会社の将来について、ビジネス面やファイナンス面での問いを投げかけられているので、ユーザベースに対する客観的な視点を持っていることが分かります。

僕はバックグラウンド柄、リスクを意識した思考からスタートすることが多く、他領域の人たちと会話することで、初めて気づくことも多くて。でも、他領域に対する自分の素人的な意見も意外と響くこともあります。

――なるほど。

森田:
意思決定って、未来予測だと思っているんです。「将来がこうなりそうだから、今こうしよう」というものですよね。そのときに想像する内容がお互い違うので、全く異なる思考回路を持つ人たちとの会話は、すごく楽しい。

経営者の近くで仕事ができる、直接議論できるのはユーザベースならでは。ユーザベースは本当にフラットなので、職種やポジションに関係なく自由に意見を言い、かつ、これが大事だと思うんですが、その意見をきちんと聞いてもらえる。多様な人が集まっているので、さまざまな思考回路に触れられる。

武田:
私は法律事務所に10年在籍していて、途中で別の事務所や法務省にも出向したんですが、法曹関係者以外と直接仕事をする機会が少なかったんです。ユーザベースに入って、あるプロジェクトに入ったときに、他領域のメンバーとすごくシームレスに話ができて。違う視点、違う考え方で話をしているんだけど、見ているゴールは同じで、ちゃんと同じ土俵で話せるというのが、すごく面白いと感じました。


Legal武田

日々経営陣とガチンコ勝負

――リーガルチームは、日々どんなコミュニケーションを取っているんですか?

森田:
プロジェクトごとに、経営陣、事業サイド、コーポレートの必要なメンバーが入ったslackのチャンネルがあって、そこで日常的にやり取りが発生しています。

例えば企業買収であれば、「この案件はこういうスキームにすべきだ」「先方にこういう提案をすべき」などとコミュニケーションを取ります。その際、「自分としてはこうすべきだと思う」という意思表明が求められます。

――法務としての選択肢を提示するだけでなく、自分の意見も求められるんですね。

森田:
そうですね。そうすると梅田さん(CEO)や稲垣さん(COO)、松井さん(執行役員 CPO/CAO)たちから「いや、これはこうなんじゃない?」みたいな意見が返ってくる。

法務の専門性をベースに、「自分が調べた結果こうで、こういうリスクもある、会社としてはこうすべきだ」という話をします。経営者は不確実な状況の中で意思決定をしていくので、論拠と共に意見を延べ、自分の思考回路を追ってもらって違和感がないかを検証できるところまで持っていかないと、ただの感想に終わってしまう。その内容は、法律的な点だけでなく、自社とステークホルダーの最善を考えるわけですが、経営者からは想像を超えた回答がくることも多い。というか、結構無茶ぶりも多くて(笑)。

でも最初は無理だと思ったことも、頭を死ぬほど絞って考えていくと「この方法ならできるかも?」というやり方が見つかる。たいていのことは梅田さんたち経営陣が言った通りになるんです。その都度、自分の視座がまだまだ低かったと反省しています。

以前あるプロジェクトで梅田さんから「法律的にこうなりますっていうのを聞きたいんじゃなくて、いち事業家としてどう思っているの? それを聞かせてよ」と言われて、まだ「法務としてサポートする」という意識が強いんだなと気づかされました。

ユーザベースとステークホルダーにとっての最善を考える、そこでは短期的なメリットと長期的なあるべきが矛盾することもある、全員に取って利益にならないこともある、その意味で思考体力が本当に求められる仕事だな、と。ただ、向き合っているのは、知識だけでどうにかなるわけではないすごく本質的な価値判断だと思っており、やりがいがあります。

武田:
そういえば、森田さんと普段ディスカッションするとき、「武田さんならどうする?」ってよく聞かれますね(笑)。「法律上こうなる」ではなく、「私ならこうする」を求められているんだなとドキっとします。

法律事務所では、クライアントに対して、「法律的にはこうで、こういう選択肢があり、それぞれにこのようなリスクがあります」とご提案をしますが、最後はクライアント自身が判断することになります。クライアントがどのような検討や議論を経て、最終的な判断をしているのかまでは、見えないことも多かった。

その、今まであまり見えていなかったジャッジの部分に自分が入ることは、おそらく法律事務所出身者にとってはすごくチャレンジングで面白いんです。苦しい部分もあるとは思いますが、法律事務所ではなかなか経験できない領域に踏み込んでいける感覚があります。


Legal森田

ミッションに向かう意思決定を左右するようなチームにしたい

――日々どんな感じで仕事を進めているんですか?

森田:
Slackが僕たちの仕事のベースになっています。Slackにはいろいろな情報が流れていて、自分が知らなければならないと思ったら、その情報はチャンネルに入るなりして、自分で取りに行きます。

情報は意思決定の基盤になるものだと思うんです。少ない情報しかない状態では、誤った意思決定をしてしまう可能性が高くなります。だから機密情報、個人情報やインサイダー情報以外は、できるだけオープンにする。そのうえで各メンバーが必要な情報は自分で取りに行く。これは法務に限らず、ユーザベース全体がそうですね。

――2人の話を聞いていると、知的な対話による格闘をするのが好きなんだろうなと感じます。

森田:
確かに考えるのは苦じゃないですね。いや苦しくないわけではないけど、楽しんでいます。
自分が担当する業務で「どうしてこうなったのか」「こうすべきでは?」と聞かれたとき、「会社がこうしているから」と言うのではなく、最後まで考えるのを諦めないことを心がけています。

――では最後に、今後どんなチームにしていきたいか聞かせてください。

森田:
ユーザベースのミッションである「経済情報で、世界を変える」に向かうための、意思決定を左右するようなチームにしたい。各々で考え、自分の意見を持ち、みんなが他のメンバーを助けるようなチームにしていきたいですね。

もう少し長期的な話でいうと、会社の意思決定に関わって、みんながビジネスパーソンとして成長して他にもやりたいことが出てくる――例えばそのメンバーが法律事務所に戻ったり、起業したり、他社に転職しても緩やかにつながって助け合い、またお互いにとってプラスになるフェーズになったらユーザベースに戻ってきたり、関わりができるようなコミュニティ。アルムナイのような、そういうサイクルができればいいなと思っているんです。

武田:
みんなが他のメンバーを助けるのは、すでに実現できていると感じます。それぞれ経験やバックグラウンドが異なるからこそ、「自分はこうだと思うけど、他の人はどう考えるかな?」って気兼ねなく聞けるし、場合によってはすぐにみんなでディスカッションできますから。弁護士としての期や入社時期で全然壁を作っていないので、とてもやりやすいです。

森田:
そうですね。気兼ねなく質問できる状態を保ちつつ、今後はより会社の意思決定に深く関わっていくチームにしていきたいと考えています。

――なるほど、ありがとうございました!

Legal森田

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